企業内部の不正が疑われるとき、客観的な事実を確認する
企業経営において、売上や利益の減少、資材管理上の不自然な動き、従業員の業務に対する疑問など、社内だけでは実態を把握することが難しい問題が生じることがあります。
今回ご紹介するのは、建設関連企業からの依頼を受け、現場から搬出される資材の動きや、その搬送先を確認した企業調査の実例です。
依頼者が抱えていたのは、解体現場から発生する金属資材などが、会社の管理から離れて持ち出され、換金されているのではないかという疑念でした。
当事務所では、依頼者から事情を聴取したうえで、現場の状況、車両の動き、資材の搬送状況などについて調査を実施しました。
※本記事は実際の調査事例をもとに、関係者・企業の特定を防ぐため、固有名詞や詳細情報を省略・匿名化して紹介しています。
1.調査の背景
依頼者は、長年にわたり事業を営んできた建設関連企業の経営者でした。
経営状況に変化が生じるなか、解体現場から発生する銅線、アルミ、鉄などの資材が、従業員によって会社の許可なく持ち出され、金属リサイクル業者などで換金されている可能性を疑っていました。
しかし、疑念があるというだけでは、実際に何が起きているのかを判断することはできません。
そこで、現場における資材の保管状況や搬出の動き、搬送先などを確認し、問題の実態を明らかにするため、当事務所に調査の依頼がありました。
2.調査期間と調査方法
本件の調査期間は、約4か月にわたって調査を実施しました。
主な調査方法は、現場周辺での張り込み、対象車両の尾行、資材の積み込みや搬送状況の確認、写真撮影などです。
調査では、複数の現場や資材置き場を確認し、日によって異なる車両や作業員の動きを追跡しました。
また、現場で資材が動いているという事実だけで判断するのではなく、その後どこへ運ばれるのか、搬送先でどのような状況が確認できるのかという点にも着目しました。
3.調査で確認した主な事実

① 現場における資材の保管状況
調査対象となった複数の現場では、解体作業に伴って発生した木くず、金属資材、アルミサッシなどの保管状況を確認しました。
車両が現場に出入りする状況や、資材を積み込む様子についても、日時と状況を記録し、写真撮影を行いました。
調査期間中には、資材の搬送が確認できた日もあれば、不審な動きが認められず、確認のみで終了した日もありました。
すべての動きを一律に不正と判断するのではなく、個々の状況を確認することが重要です。

② 資材の搬出・追跡による搬送先の確認
現場から資材を積載して出発した車両については、必要に応じて尾行調査を実施しました。
その結果、資材を積載した車両がリサイクル関連施設などに立ち寄り、搬入する状況を確認しました。
また、車両によって搬送先や取り扱われる資材が異なることも確認されました。
企業調査では、現場から資材が運び出されたという事実だけでなく、搬送先までの一連の動きを確認することが、実態把握につながります。

③ アルミサッシの搬出と金属取扱業者への搬入
本件で特に重要な事実を確認したのは、調査終盤時期でした。
当日、解体現場において、対象企業の従業員と別の男性が協力し、現場に置かれていたアルミサッシを手作業や重機を使用してトラックに積み込む状況を確認しました。
その後、積載車両の運転席や助手席付近に表示されていた会社名を、白いカバーで覆い隠す行動が確認されました。
車両は現場を離れ、金属取扱業者に到着。そこで、現場資材であるアルミサッシを搬入し、換金する状況を確認しました。
さらに、その後の車両の動きを追跡し、資材搬送後の状況についても確認・記録しました。
このように、現場での積み込み、車両の出発、搬送先への到着、資材の搬入という一連の状況を、日時とともに記録しました。
4.調査結果を報告書にまとめる
当事務所では、調査で確認した状況を、調査経過と写真を用いて報告書に整理しました。
報告書には、主に次の内容を記載しています。
- 調査の目的と期間
- 調査を実施した日時と場所
- 現場における資材の保管・搬出状況
- 対象車両の移動経過と搬送先
- 資材の積み込みや搬入時に確認した状況
- 調査時の写真資料
- 調査全体を通じて確認した事項の総括
調査で確認した事実と、そこから考えられる可能性を区別しながら、調査経過を整理することを重視しています。
企業内の問題は、関係者の説明や印象だけでは実態を把握できないことがあります。
そのため、「いつ、どこで、誰が、どのような行動をしたのか」という客観的な事実を積み重ね、第三者にも状況が伝わる形で記録することが大切です。
5.企業調査で重要なのは、疑念を事実によって検証すること
本件では、依頼者が当初から抱いていた疑念について、現場の確認だけにとどまらず、車両の動きや搬送先まで調査を進めました。
その結果、特定の現場資材が搬出され、金属取扱業者へ運ばれ、換金される状況を確認するに至りました。
一方で、個々の行為について、会社の許可や取引関係、資材の所有権、精算状況などを確認しなければ、直ちに違法行為と断定することはできません。
企業調査では、依頼者の疑念をそのまま結論とするのではなく、確認できた事実を整理し、未確認の事項を区別する姿勢が必要です。
調査報告書は、企業が実態を把握し、社内確認や今後の対応を検討するための資料となります。
6.沖縄で企業調査をご検討の経営者様へ
従業員による不正の疑い、資材や商品の持ち出し、社内情報の漏えい、取引上の不審な動きなど、企業が抱える問題はさまざまです。
しかし、疑いだけで従業員を問い詰めても、問題の全体像を把握できるとは限りません。
大切なのは、問題が生じている状況を整理し、適法な方法で必要な事実を確認することです。
佐久真沖縄探偵事務所では、ご相談内容を丁寧にお伺いし、調査の必要性や方法を検討したうえで、目的に応じた企業調査をご提案いたします。
元刑事としての経験も生かし、現場での確認、対象者や車両の行動把握、写真による記録、調査経過の整理を通じて、客観的な事実に基づく調査報告書の作成に取り組んでいます。
沖縄で従業員の素行調査や企業内の不正に関する調査をご検討の方は、まずはご相談ください。



