GPSは調査に使えないの?改正ストーカー規制法の疑問点を解消します!

法律イラスト

改正ストーカー規制法が、令和3年8月26日に全面施行されました。

この改正では、つきまとい等の中に「GPSの無断設置、位置情報取得行為」を追加されたものとなっています。

「今後、浮気調査でGPSを設置することはできないの?」

「違法行為になるの?」

と疑問を持たれている方は多いと思います。

ここでは、ストーカー規制法がどういったものなのか、これからのGPSの利用についてなど、皆様が抱える疑問点をお答えします。

 

ストーカー規制法とは!?

 

まず、ストーカー規制法とは、ストーカー行為者から被害者を守るために作られた法律のことをいいます。

規制の対象となるのは、特定の者への恋愛感情等が満たされなかったことによる「つきまとい等」と「ストーカー行為」になります。

警察では、つきまとい等を繰り返すストーカー行為者に警告を与えたり、悪質性が高い場合は検挙します。

 

女性のイラスト

「つきまとい等」とは!?

➀つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき等(第2条1項1号)

➁監視していると告げる(第2条1項1号)

③面会・交際の要求(第2条1項3号)

④著しく粗野又は乱暴な言動(第2条1項4号)

⑤無言電話、拒否後の連続した電話・FAX・電子メール・SNS等(第2条1項5号)

⑥汚物等の送付(第2条1項6号)

⑦名誉を害する事項の告知(第2条1項7号)

⑧性的羞恥心の侵害(第2条1項8号)

上記➀~⑧の累計行為がストーカー規制法における「つきまとい等」です。

 

「ストーカー行為」とは!?

「ストーカー行為」とは同一の者に対して、「つきまとい等」にあたる8類型の行為を反復して行う行為をいいます。

 (罰則)

・ストーカー行為した者(1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)

・禁止命令等に違反し、ストーカー行為をした者(2年以下の懲役又は200万円以下の罰金)

・禁止命令等を違反した者(6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金)

 

法改正の背景は!?

ストーカー規制法は、制定後に特異な事件の発生を受けて、その都度、適用範囲を拡大するため、改正されてきました。

ちなみに、法律というは、ストーカー規制法に限らず、時代の変化に適応するよう改正されます。

 

本改正のきっかけとなったのは、

令和2年7月30日の最高裁判決において、「元交際相手等の自動車等にGPS機器を取り付けて位置情報を取得する行為」について、ストーカー規制第2条1項1号の「住居等の付近において見張り」をする行為には当たらない。

と判示したことです。

※具体的にいうと、GPSを設置すると、沖縄から北海道などの遠方地にいても位置情報を取得することができます。これが、法第2条1項1号でいう「住居等の付近での見張り」にはならないということです。

 

これまで、警察・検察の捜査機関は、GPSを使用したストーカー行為者を「つきまとい等」に当たるとして取り締まっていましたが、最高裁が明確に判示したことで、取り締まりが厳しくなりました。

これを受け、早期の改正の声が上がり、令和3年5月18日、改正ストーカー規制法が成立しました。

 

改正で追加された対象行為とは!?

 

➀GPS等を用いた位置情報の無断取得

・自動車にGPS機器を取り付ける

・スマートフォンアプリや、GPS機器で位置情報を取得

➁相手が実際にいる場所での見張り等

・たまたま立ち寄っていた店舗に押しかける

・旅行先のホテル付近をみだりにうろつく

③拒まれたにもかかわらず、連続した文書の送付

・自宅や勤務先に無断で手紙を送る

・郵便ポストに直接何度も手紙を投函する

 

【疑問点】  法改正後、GPSは使用できないの?

 

一般的な不倫・浮気調査においては、これまでどおりGPSは利用できます。

ストーカー規制法で取り締まりの対象となっているのは、あくまでもストーカー行為者に限定されています。

 

同居中の夫婦間の場合は、当然ですが、取り締まりの対象外です。

ただし、気を付けておくべきことは、夫婦間であっても、プライバシーの問題があったり、一定の条件の下で、ストーカー規制法における「禁止命令など」が発出されているケースでは、取り締まりの対象となります!

 

まとめ

 

改正ストーカー規制法では、「住居等の付近での見張り」に当たらないと判示された「GPSの無断設置」、「GPSによる位置情報の取得行為」が新たに追加されたものです。

法改正を受けて、冒頭のような不安を持たれていた方も、もうご理解されたかと思いますが、あくまで取り締まりの対象は、恋愛感情が満たされず、怨恨目的でつきまとい等の行為を繰り返すストーカー行為者です。

 

皆様の疑問点が解消できればと思い、今回は、ストーカー規制法、改正のポイント、今後のGPSの利用についての疑問をお答えしました。